2013年01月24日

"Love Notes Special Unit LA Recording" Creative Note

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2013年1月。ロサンゼルスにおいて「ラブノーツ・スペシャル・ユニット」と題してレコーディングを行った。下の写真は我々のレパートリーにまさにリアル・ジャズの風を吹き込んでくれた二人。ジャズ・ドラムの最高峰、ピーター・アースキン(左)と、右はチェット・ベイカーが最も信頼をおいた名ピアニスト、ハロルド・ダンコ。これに、LAの重鎮ベーシスト、トム・ウォリントン(B)が加わり、まさに最強の布陣となった。

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NEW CDのPVが完成!ご覧ください。
☆日本語版
http://www.youtube.com/watch?v=oSdLZwR0hCs
☆英語版
http://youtu.be/-LWewLARKk8

以前より我々はTV番組シリーズ「Jazz-Love Notes」でジャズ・スタンダードの"美しさ"を「音」と「映像」を通して広く多くの人たちへ伝えてきたけれども、この番組で、翻訳作業と解説を担当し、そして何よりもモノクロ映像の中でひときわクールな歌唱を披露し、言わば番組のナビゲーター役を担ったのがラブノーツのメイン・ヴォーカリスト 井上真紀だ。
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クリス・コナーを誰よりも敬愛して来た井上真紀のサポートとして、私は今回のレコーディングのピアニストはハロルドをおいて他にはいない、と考えていた。それは彼が過去にクリス・コナー自身の伴奏者でもあったことも勿論だが、私は1987年のチェット・ベイカーの日本公演の際、何よりもあの期せずして実現した新宿「J」でのジャム・セッションでチェット自身に個人的に紹介され、その真面目で優しい人間性に触れたからである。
実際のところ、ハロルドは我々の音楽の方向性を心から理解してくれて、選曲などに関しても余計な説明など不要だった。レコーディングはお互いの中間地点という事でロサンゼルスで行うことにした。ドラムスとベースの人選に関しては、ニューヨーク在住のハロルドがLAの特に親しい仲間であるピーター・アースキンと、トム・ウォリントンに参加を呼びかけてくれたのだ。

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Photo Bob Barry/Jazzography
ハロルドは有名なThad Jones & Mel Lewis Big Band に始まり、リーコニッツ、アニタ・オデイ、ヘレン・メリル、ジュリー・ロンドン、クリス・コナー、そしてチェット。さらにはあのライザ・ミネリまで、これまで正に輝かしい共演実績を積み上げてきたピアノの名匠だ。ヴォーカルの伴奏者としてだけでなくオリジナルのインストゥルメンタルの作品も有名で、現在も米国ジャズ界を代表する正統派ジャズ・ピアニストである。今回はハロルドの代表的なオリジナル曲「Tidal Breeze」も収録した。

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ハロルドが故チェットに捧げたCDアルバム

トムはLAのジャズ・シーンで知らない人はいないビューティフルなベーシスト。堅実で強力にドライブする彼のベースはハロルドのお気に入りだ。「いずれはニュージーランドに永住したいなぁ」と最近結婚した奥様と目を輝かせて語る素敵な人。
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ピーター・アースキンは言わずと知れたあのスーパーユニット、ウエザーリポートのドラマー。多分今回のメンバーではポピュラー度が最も高いミュージシャンだろう。18歳でスタン・ケントン楽団に抜擢、その後メイナード・ファーガソンOrchでロッキーのテーマ!を叩き、その後Weather Report、ステップス・アヘッドと正にジャズのメインストリームを歩いてきたグレイト・イノベイターである。僕はその昔、渋谷のスイングという小さなジャズ喫茶で82年(?)だかにモントリオール・ジャズのLiveに出ていたジャコ・パストリアスの2ホーンバンドの映像を何度も観て、新しいスタイルなのにシャープでスインギーなピーターの正統派ドラミングが最高にイカしてて憧れた。今やジャズ界の重鎮ドラマーとしてその威光を放っている。

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Photo Bob Barry/Jazzography
Peterのスインギーなスティック捌きを見ているだけで独特のノリが伝わってくる....

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懐かしい写真 (左から) ピーター、ジョニ・ミッチェル、ジャコ・パストリアス、ハービー・ハンコック

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ピアノを囲んで井上真紀のオリジナル曲「Sakura "2012"」の打ち合わせ。ウクレレで曲のアウトラインを説明。

LA在住の Mr. Nori Tani にはアソシエイト・プロデューサー兼フルート奏者としてソロとアンサンブルに色を添えて貰った。
image.jpgPhoto Bob Barry/Jazzography

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今回のLove Notes Special Unitのプロジェクトの大きなテーマは、Love & Light。ある人に、このテーマは震災の被害者の方へのメッセージなのか?というような質問を受けた。
しかし、今、音楽やあらゆる芸術を含めて「自らの思い」を表現しようとする時に、その気持ちの中に震災の悲劇への想いが含まれていないわけがない。そして更にはこの数年間の間に我々が失った大切な人達がいる。今回はこれまで我々が思いを深めて歌い続けてきたジャズのスタンダード曲に加えて、井上真紀のオリジナル曲「SAKURA "2012"」と、僕自身のオリジナル・インストナンバー「Pavane」そして「Sukiyaki-Songとして世界的に知られる(上を向いて歩こう)」を収録した。当然の事ながら、この我々のラブノーツとしての記念すべきアルバムにはその全てへのオマージュの気持ちが込められている。

ハロルド・ダンコとの25年ぶりの再会。それはまさにチェットの天からの采配としか思えない特別なレコーディングセッションとなった。人種やイデオロギー、国境を超えて広く多くの人々にこの音楽が届くことを願ってー。Hiro川島/Love Notes
Love Notes Special Unit: Love & Light

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Tom Warrington(B)Peter Erskine(Ds)Maki Inouye(Vo) Hiro Kawashima(Tp) Harold Danko(P) Nori Tani(Fl)

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Photo Bob Barry/Jazzography
posted by Hiro at 10:48| Chet is around!!